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「そうなのか?まっ、取りあえず三橋の話を聞いてみるよ」
田島はそういうと小鳥三橋と向かいあった。
チームメイトはそんな田島を息を飲んで見つめた。
ピチチチチッピッチ、ピピピッ
「ふんふん。ここに来るまでにほかの鳥に追っかけられたり、猫に追っかけられたんだ」
小鳥三橋が泣きそうになりながら田島に語りかけている。
「怪我はなかったんだよな。よかったなぁ」
ピッと鳴き声を上げながら田島の周りをパタパタと飛んでいる姿。どうやら怪我はないよっということらしい。
「なぁ阿部。これってやっぱり『キス』したら戻るのかな?」
は?
田島が真剣な顔を俺に向けた。
「なんか呪いっぽいじゃん。それを解くにはやっぱ王子様のキスかなと」
そう言いながら田島は素早い動きで周りを飛んでいた小鳥三橋を捕まえ、くちばしにチュッとキスをしていた。
戻るのか?しかし何の反応もない。
「ちぇっ、俺は王子じゃなかったか。じゃ阿部ヨロシク」
小鳥三橋が頬を染めていた。
ムカッ
田島にキスされたから頬を染めてるのか?そう思ったらなぜか胸の奥でムカついた。
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