─第1章─

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尚輝は携帯のボタンを押し始める。 メールの返事を返しているのだろうか。 私はその尚輝の行動をジッと見つめた。 そして、メールを送信し終わったのか、尚輝は携帯を閉めてさっきあった場所に戻した。 『さて…』 尚輝が私の目をみて言う。 私は反射的に尚輝の目を見る。 …目が合った瞬間、尚輝にキスされた。 それと同時に、…誘われた。 私はする気が起きなかった。 今だにあの尚輝の口元が緩む光景が頭にのこっている。 私は拒ばむ。 初めて尚輝に理由を聞かれた。 『気分じゃない。』 私はこうはっきり答えた。
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