─第1章─

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私は、初めて尚輝に『怖い』という感情を覚えた。 震えが止まらない、涙が止まらない。 そんな私を尚輝は一瞬もみようとしない。ただただあの携帯を見つめているだけだった。 このまま黙っててもしょうがない。と思った私は尚輝と少し離れて質問した。 『…なんであんな事したの?』 尚輝は黙ってる。 『…ねぇ、聞いてんだけど』 だんだん尚輝の態度に苛立ってくる。 『答えてよ』 尚輝はいきなり立上がった。 そして私の言葉を無視し、言った。 『トイレ行ってくる』 私の答えを待たず、スタスタとトイレに行ってしまった。 もちろんさっき見つめていた携帯を持って。
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