距離、想い、妖

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「待ち受けてる『運命』が過酷なら過酷な程…春じゃなくてよかったって思えるの」 あの子には幸せになってほしいから。 巫女でないならそれなりに、普通の人生を歩んでいける権利があるはずだから。 「春の…辛いとか苦しいとか、全部私が貰う。それで村まで護れるなら、私は…」 ―…イツ死ンデモ カマワナイ……― 和夜は、声に出さなかった雪の言葉をまるで分かったように、尚きつく雪を抱き締めた。 雪は、少しだけその腕に身体を預けて、肩にそっと手をかける。 伝えない互いの気持ち。 伝えるわけにはいかない気持ち。 それは、二人が共通に想う、大事な人の気持ちを知っているから……。 その人の………… 春の、和夜を好きな気持ちを………………
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