少女、力、運命

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「自分が望む姿になれて、時を自由に見ることが出来る。無限かつ万能、それでいて不死の力を持つ者を、人間は神と呼ぶの」 「あら、それじゃあ私はそれに当てはまるわね」 「そうでしょ?」 「でも『神』って呼ばれ方は好みじゃないわ。どう呼ばれるのが好みかも分からないけど」 「『神』なんて肩書きみたいなものよ。気にしなくていいと思うけど、その肩書きが気に入らないなら考えとく。そうじゃないなら『阿婪』でいいんじゃない?吉原の一番美しい花魁の名を貰ったんでしょ?それと西洋で一目惚れした男性の」 「まぁ♪よく覚えてるのね♪それは一度しか言ってないのに」 「当たり前…って言っていいのかな。『初めて未来を見ることの出来ない人間』…私は特別、なんでしょ?阿婪」 雪の笑みに、阿婪と呼ばれた女は一瞬目を丸くして微笑んだ。 「そう。私が仕えたいと思った、最初の人間だものね、雪は」
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