2,ライとナイ

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「さあ、通報されたくなければ夢を返して!」 ギッと睨みつける少女の目線を真っ正面から受けて、 ナイは少々後ずさった。 が、押されながらも少女を睨み返し、ナイと少女の戦いが続く。 数分の時間が過ぎ、ナイがため息と同時に降参のポーズをとった。 「……分かったよ」 「! じゃあ……」 「その代わり、返すのはお前の夢だけだかんな!」 「あんたらじゃないんだし、別に他人の夢なんて要らないわよ」 そう憎まれ口を叩きつつ、少女は安堵の息を吐いた。 「……で、お前の夢ってのは ……悪夢だったら追いかけてまで取り戻しに来ねぇか、陽の夢だな」 自分の持っていたずた袋を探るナイの問いに首を傾げ、少女は聞き返した。 「それが何よ?」 「好みの問題だ。俺は陰の夢――悪夢の方が好きだから、お前の夢はきっとライが持って……」 言いながら顔の向きを変え、ナイの動きが止まる。 満足そうに寝っころがるライ、 その隣には空のずた袋。 .
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