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瞳に星を散りばめたような乙女の表情をしながら、
少女はうっとりと語る。
しばらくそれと同じ顔で聞き入っていたライだったが、
その表情が明るく光った。
パンと手を叩き、自分のアイデアに喜びの舞いを踊る。
「いい事考えタ!
俺っち達があんたとその男の子を会わしてあげれば問題は万事解決だヨ!」
「え……えぇええ!」
「あんたがしたいのって、
『夢を見る事』じゃなくて『男の子に会う事』なんダロ?」
直球で聞かれた問いに口ごもりながらも、少女は疑わしげにライを見上げた。
「ま、まあそうとも言うかな。
けど……そんな事、本当に出来るの?」
「もちのろんサ!
あんた空飛んでまで俺っち達を追いかけてきたろ、そのガッツがあれば不可能なんてナイナイ!」
「でっ……でも、彼のお父さんはあちこち転勤するお仕事についてるから、どこにいるか分からないわよ?
ひょっとしたら海外にいるかも」
「俺っちとナイの力なら簡単サァ!
むしろ範囲は人間のエリアだけなんだ、狭いくらいだヨ!」
そこまで言い終えてから、ライはふと気がついたように隅でまだうずくまっているナイを指差した。
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