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「言い忘れてたネ、俺っちの名前はライ、そこにいるのはナイ。
あんたの名前を教えてくれるカイ?」
満面の笑みに圧倒された形で、少女は後ずさって名乗った。
「あ……晶。渡辺 晶」
「ヨロシク、アキラ!」
満面の笑みで強引に握手を求められ、
晶は半ば呆然としながらされるがままになっていた。
ブンブンと晶の手を振り回し、ライは唐突にナイの方へと晶を引っ張っていく。
「ナイー、話がついたヨ!
もう一仕事だヨ!」
「……やだね、人捜しなんか見つかる訳ない」
「く、暗っ……」
晶はその言葉と雰囲気に思わずつっこんだ。
明るく言うライと対照的に、うずくまって動かないナイの雰囲気はとてつもなく暗い。
先ほどの威勢の良さはどこへやらだ。
「大丈夫!
案外二、三回捜せば見つかるカモよ?」
「きっとその前に夢警察に捕まるさ。
俺達はもうだめなんだ」
「夢警察は今夜別件で人間のエリアには来ないヨ!
事前に調べたジャン」
「夢警察が来なくても事故か災害に遭うさ」
「その場合は救助隊が助けてくれるサ。
だから行こ?」
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