2,ライとナイ

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ヒラリ、ヒラリ。 宙を舞い、二人の少年が夜空を駆けていた。 それぞれの肩にはずた袋が一つ、どちらもパンパンに膨れている。 「ヒュー! 今日は珍しく大量だったネ!」 前を行く長身の少年が喜びの声をあげた。 ヘッドホン模様の特徴的なナイトキャップをかぶっている彼は、 スキップで空を軽やかに跳ねていく。 大量というのは、ずた袋の中身を指しているようだ。 「調子乗るなよ、ライ。 どうも悪い予感がする」 ライと言うらしい少年の浮かれた言葉を、 後を追う小柄な少年がたしなめた。 Zマークの入ったナイトキャップをかぶるその顔色は、普段からなのか、かなり悪い。 「またまたぁー、ナイの悪い予感は当たった試しないジャン!」 「遊びすぎるなって言ってんだ! それに、当たった事だってある」 「四六時中言ってりゃ当たるに決まってるサ! それよりホラ、俺っち達の家が見えてきたヨ!」 ナイと呼ばれた小柄な少年の言う事を否定し、ライは斜め上を指差した。 二人が飛んでいる所から数百メートル前、 数十メートル上に赤い屋根の家がポッカリと浮かんでいる。 「あそこに帰ってご飯食べてくつろぐだけなのに、何を悪い事が……」
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