2,ライとナイ

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「私の夢を返して!」 開口一番、少女から放たれたセリフに ライとナイは顔を見合わせた。 少女が何か言おうにも息を切らせすぎて喋れず、 とりあえず二人の家で茶を薦めた矢先の事だった。 「エーット……」 「夢……ねぇ」 頬をポリポリとかく二人に、 少女がコックリと頷く。 「私、ついさっきまで夢を見てた。 とっても素敵な夢だったのに…… いきなり周りが真っ白になったと思えば、あなた達が逃げてったのよ!」 少女の激しいセリフに、ナイはじろりと隣のライを睨んだ。 「ライ、お前またタイミング間違えたな!」 「眠りの調節はナイの仕事でショー?」 「お前が俺の合図聞いてねぇからだろ!」 口笛を吹いてごまかすライにため息をつきつつ、 ナイは少女の方に向き直った。 「あー……とにかくだ、こっちも仕事なもんでな。 夢を盗んだのは悪かったが、俺たちに目ぇつけられたのが運の尽きって事で、諦めてくれ」 「ちょっ……冗談じゃないわ、私の夢は私の物よ! それに、夢を盗む仕事って何よ? 見た事も聞いた事もないわ!」
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