2,ライとナイ

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憤慨して机を叩く少女を見て、 「これだから人間のエリアに入るのは嫌だったんだ」 と顔を反らすナイの背後から、 「そりゃそーサ、 俺っち達『夢魔(むま)』はこっちに来るのは禁止されてるもんネ」 とライが元気に割り込んだ。 「夢魔……?何よそれ?」 「文字通り夢、それを見てる人の感情を食べる生き物の事だヨ。 夢って言っても自分のは食べれないカラ……」 「こうやって夢を他の生物の所から調達する必要があるわけだ」 「要するに怪盗のように盗んで、 バクのように夢を食べる生物って訳だネ、夢魔ってのハ」 呆気に取られて説明を聞いていた少女だったが、 次第にその口がニヤリと笑った。 驚きもせずに空を駆けて二人を追いかけていった所からして、順応性はかなり高いらしい。 「『こっちに来るのは禁止されてる』って事は…… 私が通報すれば、あんた達は捕まるって事よね?」 その言葉に、ナイは顔をげっ、としかめた。 「な、なに言ってんだ、 普通の警察に連絡したって病院送りが関の山だぜ?」 「夢泥棒が居るんですもの、夢警察だって探せばあるはずよ」 ナイの額に冷たい汗が流れるのを見て、少女は自分の予想を確信した。
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