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それから数週間後…
昼休みにケータイが着信を知らせた。
「はい、どうしたの?」
相手はもちろんタケトなのだが、なんだかいつもと様子が違っていた。
『ユカさん!!
ちょ、今日の夜に連れから合コンあるからきてくれって言われたんですけど、相手が○○大の子達らしいんです!
行く気ないんで断りたかったんですけど、ちょっと行って聞いてみますから!』
「…あ…はぁ。」
いつもより数倍早口でまくし立てて喋るタケトに驚いて、ユカはそれを言うのがやっとだった。
『学年的にも同じか下くらいだと思うんで、誰か知ってるやつがいるかもしれないですね。
夜に報告の電話していいですか?』
「ど、どうかな。
まぁ期待せずに待ってるね。合コン楽しんできて。」
『楽しくはならないと思います。
とりあえず、また夜に…。
では失礼します。』
タケトに言った言葉とは裏腹に期待している自分がいる。
ユカは少しだけ高鳴る心臓に変な期待をしてはだめだ…と言い聞かせてケータイを閉じた。
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