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「ユカちゃん!ごめんね遅くなって…。」
慌ててきてくれたのか軽く息が上がっているユウタにユカは頭を下げる。
「いえ、私こそ突然ごめんなさい。」
ユウタはニッコリ笑ってユカの頭をあげさせた。
いつ見ても、爽やかないい男である。
スーツにはしわを一つなく、センスのいいネクタイに嫌味のない腕時計。
もちろん靴も光っている。
軽くワックスで遊ばせている髪も男前なユウタに文句なしに似合っていて、更に優しくてよく気がついて仕事も出来て…
まさに完ぺきな男が目の前にいる。
しかしユウタはそれを鼻にかけることもせず、まだまだだと言う。
久し振りに会ったユウタだが、相変わらずいい男だなぁと感心するばかりだ。
「ユカちゃん、時間ある?
良かったらちょっと早いけどお昼行こうか。」
「ユウタ君大丈夫なの?」
「うん、ここじゃ話しにくいでしょ?
…ルリから、聞いたんだろ?」
分かっている、と言いたげに苦笑いするユウタにユカは黙ってコクコクとうなづいた。
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