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「…ユウタ君のことを何か言ってたというか…正直今更って思うって…。」
「…だよねぇ…。」
なぜか申し訳なくて、うつむいてしまうユカにユウタまで黙ってしまい、2人の間に沈黙が続いた。
それを破ったのはユカだった。
「あのさ、なんで結婚したくなったの?」
「なんで?
ん~…正直言えば周りからそろそろ身を固めろって言われるのに疲れたっていうのもあるかな。
部長たちからお見合い話まで出てくる始末だから…
籍だけでもいいからとかも言われるけど、そういうものじゃないとも思うし。」
ルリの予想通りのユウタの考えにユカは思わず笑ってしまった。
「あ、ごめん。」
「そんな理由って思った?」
「ううん、ルリが多分そうだろうって言ってたのと一緒だったから笑えただけ。
それさ、ルリにちゃんと言ってあげて?
ルリは多分どんな簡単でもいいからユウタ君がしたいって思った理由が聞きたいと思うんだよね。」
「…こんな理由でも?」
「うん。
ルリならそれでも納得すると思う☆」
「…確かにそうかもね。
今日帰ったらもう一回話してみるよ。
ユカちゃんありがとう。」
ユウタが軽く頭を下げるとユカは両手でそれを慌てて阻止した。
この後どうなるかは2人のことなのでユカがお節介出来るのはここまでだ。
ユカはユウタに自分が来たことを口止めして、お昼休憩を終えた。
会社へ戻るとルリがデスクで雑誌を広げていた。
「ユカ、どこ行ってたの?」
「ん~?ちょっと気合い入れにいってきた。」
「誰の?」
「…私にも。」
「…誰と?」
ユカがハァ、と気合いをいれて息を吐くのを見ながらルリが首を傾げたのは言うまでもない。
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