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必死に朦朧と格闘しながら胸ポケットにある札を出し、首を締めている手に札を貼ると…。
──ぎゃああああっ。
耳障りな低い声が断末魔をあげる。
すると手の力は弛み、とっさに奥へと逃げ出す。
一体誰か気になり、後ろを振り向くと白い手の指先があり得ない方向にクネクネと曲がりながら闇に消えて行く。
どうやら札が効いたみたいだ。さすが翼兄さんの作る札は効果抜群だ。
しかし…霊の抵抗か、少しだけ札に亀裂が入った。
なんだか…不安になったが捨てるよりはましかもと思い、気にも止めず再び、胸ポケットの中にいれた。
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