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俺はとっさに角を曲がり、近くの病室に入いり隠れた。
どきどき…どきどき…。
鼓動の音が激しく耳に聞こえる。追いかけてきた首なし男に聞こえるのではないかというぐらいだ。
タッタッタッタッ…
足音が聞こえる多分…奴だ。呼吸が苦しい、それでも音を立てないように息を止める。
タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…タッタッタッタッ…。
音が遠ざかる。どうやら無事に巻いたようだ。
気が抜けて、ため息をし座り込む。
それがいけなかった。
隙間の暗闇から白い手がぬっと現れ俺の首を締める。
「ぐうっ…」
誰が首を締めているか解らないが…その手は異常なくらい冷たく力強かった。
意思が朦朧としてくる。
本能的に、首に締めているモノをどけようと締めている手を片方で掴み、利き手で胸ポケットを漁る。その中に札があるからだ!
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