恐怖の一夜②

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俺はとっさに角を曲がり、近くの病室に入いり隠れた。 どきどき…どきどき…。 鼓動の音が激しく耳に聞こえる。追いかけてきた首なし男に聞こえるのではないかというぐらいだ。 タッタッタッタッ… 足音が聞こえる多分…奴だ。呼吸が苦しい、それでも音を立てないように息を止める。 タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ…タッタッタッタッ…。 音が遠ざかる。どうやら無事に巻いたようだ。 気が抜けて、ため息をし座り込む。 それがいけなかった。 隙間の暗闇から白い手がぬっと現れ俺の首を締める。 「ぐうっ…」 誰が首を締めているか解らないが…その手は異常なくらい冷たく力強かった。 意思が朦朧としてくる。 本能的に、首に締めているモノをどけようと締めている手を片方で掴み、利き手で胸ポケットを漁る。その中に札があるからだ!
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