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考えても仕方がない。
俺はカルテを机に投げ捨てる。すると…。
ぷるるるるっ。
ぷるるるるっ。
突然、ナースコールが鳴る。なっている場所は…氷室の部屋だ。
俺は、ナースコールで光っているボタンを押した。
『ひ…緋川…ど…どこ…』
少し雑音が入り交じった声が聞こえる。
『た…助け…』
その声は苦しそうだ。俺は複雑な気持ちになる。
だから、思わず声を掛けてしまった。罠だと知らずに…。
「氷室か?氷室!大丈夫か?」
『緋川…そこにいるん…だね…待ってて…そこ…行くから!プツっ』
そう言って、声は途絶えた。ヤバいと率直に思った。
兎に角、ここから離れなければならない。俺は懐中電灯を握り絞めて、闇の中へと消えていった。
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