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序章 決闘高田馬場
《概要》
元禄十四年三月十四日。
江戸城・松の大廊下。
浅野内匠頭長矩、吉良上野介義央に「過日遺恨あり」と称し、殿中刃傷に及び、即日切腹す。
元禄十五年十二月十五日。
本所松坂町・吉良邸。
大石内蔵助良雄、赤穂四十七士を率いて襲撃し、首尾よく本懐を遂げ、高輪泉岳寺に凱旋す。
【昼行灯】と呼ばれた男。
平和を望み、安穏を願いながらも、運命に翻弄され、権力に反逆の一矢を放った男がいた。
その男が、荒ぶる男の存在を知った時、遠からず自らの運命を予感したのかも知れない。
《主要登場人物紹介》
◆大石内蔵助良雄◆
(おおいしくらのすけよしたか)
播州赤穂藩・浅野家主席家老。
【昼行灯】と呼ばれた主人公。
◆中山安兵衛武庸◆
(なかやまやすべえたけつね)
越後新発田を脱藩した素浪人。
凄腕の剣客で、破天荒な酒豪。
◆浅野内匠頭長矩◆
(あさのたくみのかみながのり)
播州赤穂藩主で、浅野家当主。
直情径行だが、慈悲深い名君。
◆堀部彌兵衛金丸◆
(ほりべやへえあきざね)
播州赤穂藩士で、内匠頭家臣。
頑固一徹で、人懐っこい老人。
◆堀部ほり◆
(ほりべほり)
彌兵衛の愛娘で、安兵衛の妻。
高田馬場で安兵衛に襷を渡す。
◆菅野六郎左衛門◆
(すがのろくろうざえもん)
安兵衛と叔父甥の契りを結ぶ。高田馬場で凶刃に倒れ、横死。
◆村上庄右衛門◆
(むらかみしょうえもん)
伊予西条藩士で、菅野の仇敵。
高田馬場で安兵衛に討たれる。
◆中山彌次右衛門◆
(なかやまやじえもん)
越後新発田藩士から、浪人に。
安兵衛の実父で、不遇の人物。
◆清水一学義久◆
(しみずいちがくよしひさ)
堀内道場【四天王】に列する。
やがて安兵衛と劇的な再会を。
◆山鹿素行◆
(やまがそこう)
名高い軍学者で、赤穂に滞在。
内蔵助に、山鹿流兵法を伝授。
◆大石松之丞◆
(おおいしまつのじょう)
内蔵助の嫡男で、多感な少年。
元服後は、主税良金と名乗る。
◆大石理玖◆
(おおいしりく)
内蔵助の正室で、松之丞の母。
大らかな糟糠(そうこう)の妻。
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