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「あなたからもきっと聞こえるよ」
少女はそう言うが、彼は静かに首を振った。
「聞こえないよ。だってボクは機械だもん。機械の目から水は出ないし、機械のほっぺは冷たいし、胸から太鼓の音はしないんだ」
すると今度は少女が首を振った。
「あなたが聞いてる音は私とあなたの二人分。あなたのほっぺは硬いけど、私は柔らかすぎるから二人合わせればちょうどいい。あなたが泣きたいときは、私の目から涙が出るんだよ。今出てるのはあなたの分。私たちは――」
少女は腕の中にいる彼の硬い体を、その小さく柔らかな身体でぎゅっと抱きしめた。
「ボクたちは?」
「私たちは、二人で一つ」
二人で一人
どちらが欠けても成り立たない
「だからずっと一緒だよ」
丸い瞳から零れた涙は機械人形のものか?
それとも少女のものか?
わかるのは、彼らだけ。
(6/12 夢に見たものを文章に。多分テーマは『機械人形に恋した少女』かと……)
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