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窓をたたく雨粒 耳障りなようで、どこか心地いい 窓を開けてみた 雨が窓辺に侵入する 雨粒が私を濡らしていく 一粒は私の髪を 一粒は私の額を 一粒は私の瞳を 遠慮することなく水浸しにする 瞳に飛び込んだ雨粒は 溢れてこぼれ落ちていく ただ無遠慮に 雨粒が次々と流れ落ちて 私の頬を濡らしていく 窓を閉めても 雨粒が止まることはなく 窓辺には 雨粒に叩かれた痕だけが増えていくばかり 私は窓ガラス越しに歪んだ空を睨みつけた この雨さえ止めば この雨粒も、きっと止まる そう 止まるはずだ だから 今だけは、静かにこの雨に打たれても良いかもしれない それに答えるように 雨粒が優しく机を叩いた  (外界を濡らす雨を見て創作)
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