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幼き日
凛州を戦国時代より治める永良家の棟梁のもとに生まれた、双子の姉と弟。
二人は忠誠心の篤い善良な武士らと優しく厳しい乳母(めのと)、二人に夢中な十人十色の女官たちに囲まれ、すくすくと成長していった。
――そしてあっという間に十年が経った。
この間はまだ、凛州より東に位置する大国紀洛(キラク)と青土(アオト)の争いの影響は盆地の小国には及んでおらず、また収穫にも恵まれ、凛州はおおいに国力を養うことができた。
しかしこの間はまた――
城内の一部の人間の思惑と謀略をも育てることにもなっていたのだった。
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