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「新八の事が好きになりたいの」
永倉は、驚いた表情を浮かべる。
「で…でも、昨日拒否されたよ?」
そして俯いて、落ち込んだ。
「…
とりあえず、最後まで聞いて?」
永倉は再び水を見て、頷く。
「あのね…
翔はいつも、
"水みたいに単純に新八を好きになれたら、どんなに楽になれるか"
って思ってた。
でも、
"俺は男の人格だから、新八の事が好きになっちゃいけない"
と思うことによって、本当の気持ちを抑えてるの。
それは翔にとって、とても辛い決断…
だから新八の事は、仲間として好きになろうと決めた。
でもね、昨日新八に"好き"って言われた時、翔の決心が揺らいだ。
本当は嬉しいのに、
"人格が男だから"
という理由で、新八の気持ちに応えられない自分が嫌気がさし、あんな反応をした。
そしてその後、
"体だけで自分の事を好きになった"
と、翔は勘違いしたじゃん?
それで翔は本気で新八に失望しちゃった。
だから、このままだと水の心は離れてく一方だよ?」
「…それは嫌だ」
永倉は悲しそうに呟いた。
それを見た水は満足気に頷く。
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