第1章

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その後、女将さんと少女は、"ごゆっくり"と言って店に入っていった。 そして、青年が翔に話しかけてくる。 「あなた、強いですね。 でも、刀とか…飛び道具の方がもっと強いのでは?」 翔は、青年の言葉に目を見開いた。 「なんで…分かったのですか?」 翔の声が低くなる。 「剣だこがあります。 それに、左右対象に筋肉がついています… 二刀流か、飛び道具が得意な人の筋肉の付き方ですよ」 その青年の観察力に驚く翔。 (こいつ、やるな) 「…あはは、よく分かりましたね。 あなた、お名前は?」 翔は、出来るだけ明るい声で言った。 「もぐもぐ…」 しかし青年は、団子を味わいながら食べている。 (話、聞けよ) 「もぐ…すみません、お茶ください」 青年は、翔を完全に無視した。 その様子に翔は、何も言わずに青年に背を向けて、歩き出した。
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