第14章

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永倉は更に、翔に聞こえるくらいの声量で囁く。 「俺は、翔の事を体で好きになったんじゃないんだ。 "どこが好き?"って聞かれると、正直なんて答えて良いか分からないけど… 水は、甘えん坊で目が離せなくて… 俺に妹がいたら、こんな感じかな? って思えるくらい… 家族と同じくらい愛おしいんだ。 翔は、冷静な判断力とか、頭の良さとかに憧れる。 でも、脆い部分もあって… なんていうか、自分を必死に守ってる?って思う時がある。 俺はそんな翔も守りたいんだ。 それに、翔の人格が男でも、翔は翔だろ? 別に、男色とかじゃないんだけど、俺は翔の男らしさも好きだよ。 だけど、時々女の子っぽい仕草もあって、ドキッとするんだ。 確かに翔と会ってる時間は水より全然短いけど、それでもちゃんと翔の事見てるだろ? だから、体だけで好きになった訳じゃないんだ。 もし、水と翔のどっちかを選べって言われたら、俺はどっちも選べない。 二人を比べるなんて事、出来ないからな」 永倉は、腕に力を入れた。 「はぁー… こんな恥ずかしい事、もう言えないよな」 「もう言えないの?」 「あぁ、翔が寝てなかったら言えな… あれ…? 今返事が…?」 永倉は、翔を見て目を見開いた。
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