第14章

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「翔!! 起きてたの!? どこから聞いてた?」 永倉は顔を赤くする。 「新八が耳に息をかけるから、くすぐったくて起きた。 聞いてたのは… "ごめんな"から…」 翔は小声で答える。 「…」 永倉は、いつその言葉を言ったか考え… 「最初じゃん…」 と気付き、愕然とする。 翔はそんな永倉を見つめて、再び口を開く。 「さっきの言葉は、全部本当?」 「!!」 永倉は更に赤くなり、翔から顔をそらした。 「そ、そうだよ…」 永倉の声はとても小さく、多少震えている事から、動揺しているのが伺える。 「…そぅ。 水と翔の事を、そこまで愛してるんだ… 羨ましいな…」 永倉は再び、翔の顔を見た。 「…お前、翔だろ?」 永倉は首を傾げる。 「うん。 翔だよ。 そして同時に水でもある」 「…は?」 「…」 翔は何て説明をしようか考える。 「うーん、夜に何度か会った事があるよね? こんなにゆっくり話すのは初めてだけど…」 「… あー、水の言葉なのに、翔の冷静な判断力がある…?」 「そう。 それが私」 「じゃあ君は、新たな人格の人?」 「…それは少し違うかな? 私は…」
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