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「名前は水って言う。
でも、新八が知っている水ではない…」
「えっ?
どういう事?」
永倉は、水(翔)の顔をまじまじと見る。
「私は、水と翔の人格が出来る前の…
長州で忍をしていたときの水。
脱藩してから、私に戻ることはほとんど無かったけど…
新八、あなたのおかげで、戻る事が出来たの。
感謝しています」
水は永倉から手を離し、少し距離をとってから頭を下げた。
「えっ、頭下げられても困るよ!!
それより、何で戻ったの?
俺、何もしてないよ?」
水は頭を上げた。
「新八は何もしてなくなんてない。
水には、家族の暖かさを教えてくれたし、翔には仲間の大切を教えてくれた。
どっちも、脱藩する時に無くしてしまった物なの。
それを思い出させてくれたから、私も二人も、新八にとっても感謝している。
そして…
今まで、二人が一人の人物に、同じ感情を抱く事は無かった。
今回初めて、二人が新八に対して同じ感情を持ったから、私に戻れたの」
「何で、同じ感情を持つと戻れるの?」
「…それは、二人が一緒になった人格が私だからだよ」
「じゃ…じゃあ、水と翔にはもう会えないの?」
永倉は、悲しそうな表情を浮かべる。
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