第14章

10/12
1945人が本棚に入れています
本棚に追加
/390ページ
「だったら、さっき新八が言った気持ちをちゃんと翔に伝えてあげて? そしたら翔も新八の気持ちを分かってくれる」 水は、永倉の反応を伺う。 「…」 永倉は、正面を向いたまま何かを考えている。 しばらくして… 「でも俺… 自信ないよ?」 永倉が言った。 「新八って… 馬鹿?」 「えっ?いきなり? 何で?」 「だって、私は"翔でもある"って言ったじゃん? そんな私の言葉を聞いて、"自信がない"って… やっぱり馬鹿じゃん」 「あのー、そこまで"馬鹿"って言われると、流石に傷付くんだけど…」 「だって、さっき自分でも認めてたじゃん」 「えっ?いつ?」 永倉は思い当たる節が無くて、水に尋ねる。 「"翔は、冷静な判断力とか、頭の良さとかに憧れる" って。 違うの?」 水は永倉の真似をして言った。 永倉は途端に赤くなる。 「いや、あれは…!!」 焦って言おうとするが、永倉に次の言葉が出てこないため、口をパクパクさせる。 「…まぁ良いや それより新八… 私は… いや、"俺"は… 新八の事が好きだ」 永倉が驚く。 「だから、新八の頑張り次第で、翔は新八の事が好きになる! …と思う。 まぁ、頑張れよ?」 水は、恥ずかしそうに笑った。
/390ページ

最初のコメントを投稿しよう!