第14章

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「水… ありがとう」 永倉は嬉しそうに笑い返した。 「あ… そういえば、"水"って名前の人格が二人になるとややこしいから、私の名前考えて?」 「君の名前? だったら、一つしかないだろ?」 「何?」 水が首を傾げて聞く。 「"水(すい)"と"翔(しょう)"が一緒になった人格だから… "水晶(すいしょう)"!!」 「…単純だなぁ。 しかも、翔の漢字変わってるし。 期待した私が馬鹿だったかも…」 水はため息をついた。 「えっ?駄目なの?」 永倉が不安そうに聞く。 「うーん、水晶かぁ… 確か六角柱で、普通は透明をしている石英の結晶の事だよね。 私には似合わない気がするけど… まぁ、一時的な名前だから良いよ。 私の事は、"水晶"って呼んで」 「わかった」 すると水晶は、再び永倉に抱き付いた。 「どっ…どうしたの?」 永倉が焦って聞く。 「さっき、土方さんの所で寝ようと思ったけど… 水がずっと新八に抱き付いて寝てたせいで、新八の所じゃないと満足に寝れないんだよね…」 水晶は、感触を確かめるように、永倉の胸に顔をうずめた。 「うん、やっぱり落ち着く。 あっ… 水と翔には、私の存在は内緒だよ。 じゃあ、おやすみ…」 すると、水晶は眠ってしまった。 永倉はため息をつき、水晶を布団に寝かせ、自分も布団に入った。 (…俺、翔に完全に嫌われた訳じゃ無いんだ。 良かった…) 永倉は安心するとすぐに、睡魔が襲ってきて水晶と一緒に眠りについた。 そして翔が起きた時に戻る…
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