第14章

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「で、何でそんなに機嫌が良いんだ?」 翔の問いに、永倉は何て答えるか考える。 ("水晶の存在は、翔や水に伝えるな" って言われたから… 何て答えよう…) 「まだ熱があるのか?」 永倉が考えている途中で翔が聞いてきた為、永倉は、 "そういう事にしておこう" と思い、頷いた。 すると翔は、永倉の額に手を当てる。 「いや、熱無いじゃん…。 どこか調子が悪いの?」 翔が聞くと、永倉は首を横に振る。 「そっか。 じゃあもぅ大丈夫だ。 仮病なんて使ってないで、いい加減、稽古や仕事しろよ」 そう言うと、翔は部屋を出て行こうとする。 永倉は、そんな翔に声をかけた。 「なぁ、翔… 昨日はごめんな?」 永倉は、真面目な顔をして言った。 翔はそんな永倉を見て、きょとんとする。 そして、 「あー… もう良いよ。 新八には失望したし。 それより、腹減ったから、俺は飯に行くわ。 じゃあな」 と言い、翔は手をヒラヒラさせ、部屋を出て行った。 永倉はその姿を見て、ため息をつく。 「水晶… 本当に大丈夫なのかな…?」 永倉はそう呟くと、布団を畳み、着替えて広間に向かった。
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