第15章

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沖田は、土方がしっかりと抱き締めている"動物"にそっと触る。 その"動物"は、気持ち良さそうに眠っていたが、沖田に触られた事で目を覚まし、鳴き声をあげた。 沖田が撫でると、"ゴロゴロ"と言い、目を細める。 (この猫、可愛いですね…) 沖田は、その"動物"(=猫)を土方の腕から奪い取り、抱き上げた。 「…ん」 その瞬間、抱き締めていた物が無くなった土方は、驚いて目を覚ました。 「…す…い?」 土方は、最近"水"ばかりに会っていた為、 また現在、寝呆けている為、 寝る前まで抱き締めていた"翔"の名前ではなく、"水"の名前を呼んだ。 沖田がその声に反応する。 「この猫、"すい"って言うんですか?」 "翔"="水"と言うことを知らない沖田は、"すい"=猫の名前と勘違いし、抱き上げた猫を"すい"と呼んで、撫で始める。 「ニャー」 再び猫が鳴き声をあげた。 その声に反応して、土方は完全に覚醒する。 「総司!! 何でお前、猫なんて連れてきているんだ? 勝手に動物を持ち込むな!!」 土方が叫ぶ。 「えっ? でも、土方さんが抱き締めていたんじゃないですか!! しかも、"すい"って名前まで付けてるし」 「えっ? "水"って…」 "水口のもう一つの名前だろ?" と言おうとしたが、土方は言葉を飲み込んだ。 (そっか、総司は知らないのか…) 急に黙り込んだ土方を見て、沖田は笑みを浮かべる。
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