第15章

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『…バタバタ』 廊下を歩いていた3人の隊士が、段々近付いてくる足音に顔を見合わせた。 「なっ何だ…?」 隊士同士で聞き合っていると… 「沖田先生!! どうしたんですか?」 と一人が叫んだ。 沖田はその叫んだ隊士を見て、笑みを浮かべる。 そして、隊士達に猫を見せた。 「この猫は?」 「土方さんが、一人で寝るのが寂しくて、添い寝をしていた猫です。 名前は"すい"だそうですよ」 沖田が言うと、隊士達は顔を見合わせた。 「土方さんが?」 「意外…」 と隊士達が呟くと、 「そういう趣味なんですって」 沖田が言い、沖田と隊士達は笑い出した。 その時、土方の走ってくる足音と、"待て"という怒鳴り声が聞こえ… 「じゃあ私は逃げますね」 沖田が猫を連れて再び走り出す。 沖田が急に動いた為、猫は驚いて沖田の腕から逃げ出した。 「あっ、すい!! 待って下さい!!」 沖田は猫を追いかけ始めた。 その後すぐに、隊士達の所へ土方が来た。 「総司を見たか?」 隊士達は頷く。 「何か言ってたか?」 「あ、土方さんが猫と「ばっ…馬鹿!! 言うな!!」」 一人の隊士が言おうとして、他の隊士が遮った。 「俺が猫と… なんだ?」 土方が声を低くして、聞く。 「なっ…何でもないです!!」 そう言うと、隊士達は怖さのあまり、土方から逃げ出した。 土方は、再び沖田を探し始める。
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