第3章

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「永倉、すまんが、ちょっとここを貸してくれ」 土方は道場に入るとすぐに、道場の中心で隊士に剣術の指導をしていた男に話しかけた。 「副長、どうかしたんですか?」 永倉と呼ばれた男が聞く。 永倉は、背は翔より少し高いくらいで、童顔である。 「こいつと総司が、手合わせしたいってよ」 土方は翔を指差した。 「総司と!?」 永倉は声を大きくして言った。 その声にびっくりした他の隊士達が、一斉に振り返り、永倉と翔を見る。 そんな隊士達の様子を尻目に、翔は永倉と向き合った。
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