1944人が本棚に入れています
本棚に追加
「永倉、すまんが、ちょっとここを貸してくれ」
土方は道場に入るとすぐに、道場の中心で隊士に剣術の指導をしていた男に話しかけた。
「副長、どうかしたんですか?」
永倉と呼ばれた男が聞く。
永倉は、背は翔より少し高いくらいで、童顔である。
「こいつと総司が、手合わせしたいってよ」
土方は翔を指差した。
「総司と!?」
永倉は声を大きくして言った。
その声にびっくりした他の隊士達が、一斉に振り返り、永倉と翔を見る。
そんな隊士達の様子を尻目に、翔は永倉と向き合った。
最初のコメントを投稿しよう!