第3章

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(来る!右の小手!!) 『バシンッッ!!』 翔は木刀で、沖田の小手を受け止めた。 (次は…面!!胴!!) 翔は沖田の攻撃を次々と、木刀で受け止めていく。 (やっぱり、読まれていますね…) 沖田は、苦虫を噛み潰したような顔になった。 「総司の動きを読むとは… なかなかやるな。 副長、あの子は新隊士ですか?」 永倉は、翔を見たまま土方に尋ねた。 「いや、違う。 長州出身のやつだ」 永倉は驚いて目を見開き、土方の方に振り返った。 「はぁ?…長州!? なんで…ここに…?」 「総司が手合わせしたいって、ここに連れてきたんだ。 それに、長州って言っても、今は脱藩したんだとよ」 土方が簡単に説明する。 永倉は再び、試合に目を移した。 「へぇ、もし間者だったら?」 「分かるだろ? 斬るまでだ」 「…そうですね」 2人は再び試合に集中した。
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