第4章

5/12
前へ
/390ページ
次へ
「君、どこへ行く?」 近藤は焦って言った。 「…帰ります」 翔は胸を押さえながら、入り口に向かって歩き出す。 「待て、お前に聞きたいことがある」 土方が翔の前に立ち、道を塞ぎながら言った。 (早く医者に行きたいのに、何なんだよ!!) 「…何ですか?」 「何故、長州を脱藩した?」 「…答えないと…いけませんか?」 翔は声を低くして言った。 「答えなかったら、その体に聞くまでだ」 今度は、近藤が後ろから言う。 「そうですか…」 (体に聞くって… 言わなかったら拷問かよ… 俺を帰す気ないじゃん… 拷問はやだなぁ…) 翔はため息をついてから、静かに話し出した。 「…俺の両親は…」
/390ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1944人が本棚に入れています
本棚に追加