第5章

5/8
前へ
/390ページ
次へ
翔を運んだ以外の隊士は、部屋に戻っていった。 道場には、近藤と土方… そして、呆然と立ち尽くしている沖田が居た。 「総司!!」 土方が沖田に呼びかけると、沖田はビクッとした。 恐る恐る、土方と近藤の方へ振り返る沖田。 「俺が言いたいことは… 分かるか?」 土方が尋ねる。 「…はい」 沖田は小さい声で答えた。 「総司、お前を… 今日から3日間の謹慎処分とする。 その間、部屋からは出るな。 ゆっくりと頭を冷やせ。 分かったか?」 土方の問いかけに、沖田は小さく頷いた。 更に土方は言う。 「それにもう、水口は敵ではなくなった。 次、意味もなく水口を殺そうとしたら… 総司、お前を切腹にする」 「…それは厳し過ぎないかい?歳…」 黙って見ていた近藤が、遠慮がちに口を挟んだ。 「…」 無言になる土方。 「…俺だって…」 しばらくして、土方が再び口を開いた。
/390ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1944人が本棚に入れています
本棚に追加