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やっとのことで水着を購入し、デパートを後にする二人。
「ねえ紗希ぃー、わかってるとは思うけど、変に暴走しちゃあいつに嫌われちゃうよ?」
自転車に跨(またが)り、車に気をつけながら駐車場を出る。
「うん、わかってる。翔馬くんが私の胸を鷲掴み…じゃなくて、翔馬くんの心を私が鷲掴み、だね」
「全っ然わかってないし…」
里沙が頭をハンドルの上に乗せうなだれる。
「あ!里沙あそこ!」
紗希の目が交差点の反対方面に奪われた。
「何ー…」
頭を上げると、紗希が勢いよく遠くを指差す。
「あれ食べよっ!」
その指の先には、一軒のアイスクリーム屋が建っていた。
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