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「あたし、今ダイエット中なんだけど…」
服の上から脇腹を触った瞬間、彼女は世界中の女を敵に回した。
「里沙は痩せすぎなんだから、少しくらい大丈夫だよ」
「甘い!太るのは簡単だけど、体型を維持するのは大変なの!」
里沙は一度決めた事は曲げない。
悪く言ってしまうと、少し頑固。
アイスクリーム屋の方面の信号が青になった。
それを見て、紗希はよけいに騒ぎ立てる。
「アイスっ!アイスっ!アーイースっ!」
「あ~~っ!!うるさい!駄目!駄目!」
そうこうしている間にも、時間は着々と過ぎていく。
この信号が赤になれば、きっと里沙は絶対に寄ってくれなくなる。
それに、一人で食べる事ほど、つまらない事はない。
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