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「本当にご馳走してくれるの?」
本人は平静を装っているつもりらしいが、明らかに里沙の声色が変化した。
「うん!」
「そ、そう。そこまで言うんなら、寄ってあげても良いわよ?」
里沙の鉄の精神がへし折れる。
補足説明すると、彼女は無料
(タダ)という言葉にはめっぽう弱い。
「やったあ!里沙、早く行こっ!」
紗希は心の中でガッツポーズをして、点滅中の信号を走っていく。
それを追いかける里沙はぼそりと、自嘲気味に呟いた。
こうやって、女は太っていくんだろうなー…、と。
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