始まりのヒトトキ -加納 紗希- カノウ サキ

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男は紗希と目が合うと、ニコッと柔らかい笑みを返してきた。 女の子はこういう営業スマイルに弱いのかな? 私にはよくわからないけど。 「ここで食べていきます」 里沙が答える。 「では、お席の方で少しお待ち下さい」 店員はまたニコリと笑った。 ショーケースの中のアイスクリームを丁寧にかき集めていく。 その一つ一つの動作が、なんだか魔法のように思えた。 「?、どこでも好きなお席へどうぞ」 店員さんにもう一度促され、私は慌てて里沙の座る席の向かいに腰掛ける。
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