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スクランブル交差点、車がとめどなく流れていた
「何人殺す?」
「え?」
「何人殺せば信じる?」
平静に言い放つ渡の顔を恵梨香は見あげた
「ひ…一人で…いいわよ…信じてあげる…」
恵梨香はもう内心信じていた…「この男に何かある」しかし、こう言うしかなかった
「あのチンピラで良いか?どうせあと25年しか生きないんだし…生きても社会悪だしな」
渡は反対側の歩道の男を指差した
「手短に心臓マヒがいいかな…車は運転手がいるし」「ちょ、ちょっと待って…信じるよ」
恵梨香は目の前で人が死ぬ事に耐えられずに渡の腕を掴んだ
「ヤツの命…25日分をあげるよ」
男の周りで騒ぎが起きた
「これで信じたかな」
「…死神…」
恵梨香は呟いた
「これで信じるかい?」
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