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「貝塚渡君」
橘が渡に声をかけたのは人気のない道だった
「はい、え?」
見知らぬ人に名前を呼ばれ、渡は少し戸惑っていた
「私は橘、君達が言う所の…死神です」
「死神?なんの冗談ですか?テレビ?」
いきなり死神と言われても渡には信じられなかった
「残念ながら本物です」
橘は笑った
「死神ってもっと恐ろしい格好してるんじゃないの?」
ここまでは渡も信じてはいなかった
「鎌を持って…てヤツですか?あれは人間が作ったただのイメージですよ」
「まぁ…ね…」
「明日現国会議員で元首相の田中厳吉が自殺します、明日また会いましょう…その方が話が早い」
橘は消えた、渡は彼が人ではない何かであると認識した
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