18人が本棚に入れています
本棚に追加
『お前も食ってみろよっι』
「え…」
実はゆっくりとカレーライスを口に持っていった
『なっ?変化なしだろ?』
「う…」
『っ!?ι』
「う~…」
『な、泣くなよ!!ι
別にマズイわけじゃないじゃん!!ι』
「だめなのっ!!
料理うまくならなきゃ…ッ」
『なんで急に…?ι
俺、今のままで…』
「圭くん…グス…ッ」
『え?』
一瞬、心臓が止まった
「圭くんが…料理うまい子がいいって…」
『だれ?〝圭くん〟って…』
「最近付き合い始めた人…」
『最近?』
「うん…」
『そ…なんだ』
俺 ちゃんと笑えてる?
「ね、明日圭くんうちに連れてきていい?」
『は…』
「はや兄ぃにも紹介したいし……。
だめ?」
『………』
断る理由なんて…ない
「はや兄ぃ?」
『う、うん…』
ガタッ
「ちょっと、はや兄ぃ!?」
俺はこれ以上、他の男の話しをする実を見てられなくて
「はや兄ぃってばっ!!」
パタン…
逃げるようにして
自分の部屋へ入りこんだ
『く…ッ…』
ずっと傍にいても
ずっと想っていても
こぉやって途中から現れた奴にほいほい持ってかれるんだ
『実……ッ…』
俺は…異常なのかもしれない
どうして〝妹〟を好きになったんだろう
どうしてキミなんだろう
どうして…どうして
キミが妹なんだ
「はや兄ぃ…?
ごめんね…言うの遅れて…」
ドアごしで聞こえる愛しい人の声
なぁ、実…
俺たまに思うんだ
もしあの時、おじさんが選んだ人が俺じゃなくても
きっとどこかで実と巡り逢えてたんじゃないかって
なんか今更だけど
そう思えてならないんだよ
.
最初のコメントを投稿しよう!