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その日の夕飯はシチューだった。カーネの得意な料理のひとつ...。
「ぷはっ、美味しかった。ご馳走さん!」
食べ終おたシチューの皿を流し台に持って行こうとするといきなりジャックに呼び止められた。
「リュータ、カーネ、突然だがイイ話しがある。」
「イイ話し?」
「どんな事?」
と二人、同時に問い掛けた。
「まぁまぁ、落ち着け。.............実は明日、アイツが帰って来る事になった。
久しぶりに休暇が取れたそうだ。」
二人共キョトンとしお互いの顔を見合った。
「アイツってもしかして!?」
「クリス!?」
リュータがテーブルから身を乗り出して、言った。
ジャックは笑いながら頷いた。
するとカーネは跳びはねながら...
「本当に?本当に兄さんが帰って来るの!?」
リュータも興奮が、押さえられないようで二人してギャーギャー騒いでいた。
「じゃあ、さっき言ってた事って!?」
「あぁ、この事だ。」
そうなら、明日は早く起きなければ。クリスが、あのクリスが帰って来るのだから。
クリスは、カーネの兄で地方都市コーマミスの兵隊をしているのだ。
オレの三つ年上で、小さい頃はよく遊んでもらった。
兵士になったのは、盗賊などから村を守る為。という正義感の強いクリスらしい選択だった。特に弓の扱いが上手く、みるみるうちに上達し、今では弓兵の隊長を勤めるほどになった。
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