ファイト トゥー ザ デス

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アマチュアのボクサーくろはある日テレビを何気なく見ていた それはプロボクシングのタイトル試合であった 開始早々一人のボクサーがリングの外へ放り出されていた 「チャンプブラック、またもや圧勝、挑戦者は大丈夫なのでしょうか」 両手をあげながら笑みを浮かべているのはヘビー級最強の男ブラックだ 全試合2ラウンド以内KO勝ちというとてつもない男だった その上この男とやりあった相手のおよそ半分は死亡するか再起不能の障害を負わされていたのだ そのためなかなかブラックと対戦をしたがる者はいなかった ブラックは画面いっぱいに顔をアップしながら叫んだのだ 「誰でもいいぜ。俺とやって最後まで立っていられた奴には1000万ドルやろうヒャハハ」 いくら金を積まれてもこんな奴とやりたくねえよとくろは苦笑いした くろはジムにでかけ練習をした 「素晴らしい素質だ」とトレーナーに誉められるほどのセンスがあった。首がぶっとく、タフでもある そんなくろには恋人がいた とても美人で優しい娘、ミケだ ある日デートをしている時のことだった ミケと、とある高原でソフトクリームをくろは食べていた とても美味い 「こういう自然に恵まれた場で食べるソフトクリームは最高に美味いよな」 ミケは口の周りにうっすらクリームがついていたが気付いていないようだ くろはミケに口づけをした 「甘い唇だぜ」 ミケははにかみながら微笑んだ そんなある日のことだ 突如くろの携帯電話が鳴ったのだ 「ミケが倒れた」 くろは驚いて病院に駆けつけたところその光景を見て頭が真っ白になったのだ なんと包帯で全身を巻かれ呼吸器を取り付けられたミケがベッドに横たわっていたのだ 「な…」 医者の話によるとミケは時速80KMのダンプに跳ね飛ばされたとのことだ 「この状態でもってあと半年の命でしょう」 くろは首を横に激しく振り叫んだ 「嘘だ!なんとか助かる方法はあるだろ、頼む助けてくれ」 医者は顔を曇らせていたが重そうに口を開いたのだ 「一つだけ方法はあるにはありますが…億単位の莫大なお金が必要になりますし助かる確率は50%です…」
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