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くろは悩んだ そんなお金があるわけないしどうすればいいんだ でもなんとかしないとあと半年以内にミケは死んでしまう
その時ふとくろの脳裏にあることが浮かんだ
「ブラックだ!ブラックと試合をし最後まで立ってられれば10億円以上の金が手に入る」
それしかない 早速くろはブラックに試合を申しこんだのだ 物好きであるブラックはこの申し込みに快く承諾した
翌日メディアがデカデカとこれを取り上げた
「ヘビー級のアマ、最凶の男に自殺幇助を依頼」と見だしに書かれた新聞
記者会見でブラックはせせら笑った「最後まで立ってられれば本当に1000万ドルをやるぜ」
くろは「それだけでなくお前をKOする」と返した
記者団は爆笑していた
試合は非公式戦だ
ミケを助けるためにもこの試合はなんとしてもやり遂げなきゃ
驚いたのはくろのジムのトレーナー達だ
「おい正気か?殺されるぞ?いくら素質があるからってムチャクチャだ。分かってるのか?奴とやった半分の選手が死んでたり再起不能なんだぞ」
必死にやめさせようとするトレーナーにくろは言った
「やらせてくれ。やらずに後悔するよりわずかでも可能性があるならやらなくちゃ」くろは事情を話した
トレーナーは事情を知り頷いた
「俺がお前でもそうするだろうな。わかった。やろう。徹底的に付き合うよ」
その日からくろは地獄のトレーニングを開始した 試合は3ヶ月後だ 避ける技術を徹底的に身につけるんだ スピードスタータイプのくろの高速パンチに的確性を磨かせるため何十ラウンドもスパートを重ねた
くろは吐血するほどの鍛錬に耐え抜いた
ミケはもっと苦しいんだ ミケのために頑張るんだ 男なら恋人を守れ
くろは自分にそう言い聞かせていた
そしていよいよ試合の日がきたのだった
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