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10ラウンド目に突入した 闘いは熾烈を極めていた
「やああああ」
「どおおおおお」
両者の激しい攻防が繰り広げられる
次の瞬間あり得ないことが起きた
ブラックのアッパーにカウンターを合わせたくろのストレートがもろに入ったのだ
ブラックはダウンした
「ダ、ダウン。誰がこんな展開を予想した?」
会場は爆発寸前だ
ブラックは立ち上がり苦笑いをした
「やるな」
こうして10ラウンド、11ラウンドと終了し残るは最終ラウンドだった
いよいよだ これさえ闘え抜けばミケは助かる
ゴングが鳴った ブラックもくろの披露も限界に達していた
くろはスピーディーな動きでパンチの雨を浴びせた
ブラックはたまらずクリンチ
「ブラックがクリンチ、ブラック苦しいか」
解説者が叫ぶ ブラックは苦しそうだ
だが次の瞬間だった くろが左フックを放った時ブラックの地球よりも重い右ストレートがくろに的確にヒットした くろの体は宙を舞いリング外に叩き出されたのだ
ドサッ
くろは床に大の字になっていた
「もうダメだ。終わったよ。ごめんよミケ、俺は君より一足早く…」
くろの視界が渦を巻ながら暗くなっていく その時だ 何か冷たいものがくろの顔にあたった
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