プロローグ

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      しかし時として人は見ることがある。           千年に一度か万年に一度か          あるいは後ろ髪を引かれるように振り返る度ごとに見るのかは知る由もない。         山に共鳴して木霊が返るように      稲妻が光り雷鳴が轟くように      魂と魂とがぴたりと寄り添った時、自分はそれの一部であり、また全てである事を知り、見るのだと言う。            人はとかく不思議を語りたがるが、事の終わりには事の初めがあるように全ては起こるべくして起こっているのである。
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