春風

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…… ……ザワザワ……ザワ…… やったぁ…… ザワザワ……ウソ えっ?何組……? ザワ……おめで……ザワザワ…… 桜花びらが舞い落ちる門をくぐり、人の流れに慣いながら向かった先…… 壁にいくつも並ぶ大きなボードが見え、人の動きはそこへと流れていた……。 「きょ~うから中学生~♪」 正門から隣でこんな事をリズミカルに歌いながら、陽気にピョンピョンと跳ねているおめでたい男…… 小学3年から6年生まで同じクラスで、家も近所のサイトウ トモキ…… あだ名はトモ トモは何をやっても要領良く熟し、勉強も運動もそこそこ良く、先生にも褒められ、親も優しく…… まぁ!俺と比べると色々と……いや、全てに置いて羨ましい男…… そのトモと、たくさんの人が群がるボードの前に着くとそれを眺めている…… いくつも並ぶ大きなボードには、新入生のクラス編成が書いてあり、たくさんの名前が書き込まれていた…… これを見て、自分のクラスを確認するようだ 「……知らない名前ばっかだ……」 そんな独り言を呟き、大きめの制服に身を包み、慣れない環境にキョロキョロと、どことなく緊張をしながらボードを見ているのが、俺…… スズキ コウタ あだ名はコウ、まぁ……トモと性格も環境も正反対って言う事で、これ以上深くは説明しない……。 そんな中、嬉しいのか楽しいのか、周りを振り向かせる程の大きな声で、トモが騒ぎ出した 「あ~っ!あった!あった!ホッホー♪また、同じクラスぅ~♪ほらっ!コウッ!」 [……自分の名前を探す事もままならないのに、俺の名前も見付けやがって……] そんな事を思いながら、少し離れた所に居るトモへと質問…… 「何?!……同じ?……何組ぃ?」 ………4……… トモはこの問い掛けに言葉では応えず、頷きながら指で表す…… そんなトモへと数歩駆け寄り、一言…… 「じゃあ行くか♪」 1年4組 そのクラスのある校舎へと矢印が書かれた貼紙に案内され、進んで行く二人……。 「4組……あっちか……でもさ~……かなりボロい学校だよなぁ……」 確かにトモの言う通り、窓ガラスは割れてるモノが多く、校舎の所々に目に付くカラフルになっている壁…… [これは??絵なのか??]image=293259099.jpg
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