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無事おばあちゃん家につき家に入ると、一番下の妹と三男が俺に泣きながら抱きついてきた…
ギュッと力強く抱かれ久しぶりに兄弟の暖かさを感じた…
何年も兄弟をやってるがあまり記憶にない抱擁…
ちょっと感動しながら玄関から部屋に目を向けた…
次男が膝をつきこちらに背を向けながら泣いてるのがわかる…
近くに母も座り、台所では親父と母の姉妹が雑談している…
みんな泣いてる…
泣いてる次男の先に横たわる祖母の姿…
顔が見えない…
次男の横に立ち祖母の顔の手拭いをソッと取る…
眠ってるかのような安らぎの顔…
僕は意味もなく「おばあちゃん……久しぶり…」と問いかける…
返ってくるはずのない返事…
でもおばあちゃんの顔から「いらっしゃい…元気にしてたかい?」って聞こえた気がした………聞きたかった…
もう何年くらいおばあちゃんと会話してなかったのかな?
覚えてない…
急に悲しみが心を縛り泣きそうになった…
でも変な意地があったのかな?…たぶん兄弟の前で心の強い兄を演じたかったのかも…
必死に涙を堪え、おばあちゃんの顔に手拭いを被せる…
その後はただ家族が話したり、お客さんが来たりして、お通夜と葬式日が決まる…
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