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『冷たっっっ!!!』
『当たり前だ。水が冷たく無かったら湯だろう…』
冷めた目で笑っていたがどこか優しかった……
ウェイディーの背中には大きな痣のようなものが浮かんでいた…まるで黒い翼のようでとても綺麗だった…
『ウェイディー…人間が嫌いだっていうのは…』
『…。…違う言い方をすれば恐ろしいのかもしれない…』
『人間は平気で嘘を付き、自分のためなら何を犠牲にしても欲望を果たす…そんな事をするのは人間だけだ……それが恐ろしい…嫌いなんだ……』
『ウェイディー……君っ』
『そんな人間につき傷つくぐらいなら一人がいい…そう思っていた……』
ウェイディーは辛そうだった…
誰にも言わなかった真実だろう……
僕はそんなウェイディーを見てはいられなかった…
『僕はっ…嘘なんか付かない…よ。ずっとそばいに居るって約束する。絶対に…裏切ったりしないから!!!』
いつの間にか僕はウェイディーを抱きしめてた。
ちゃんと伝えたくて…一人じゃないってわかってほしくて…
『……人はもう信じないと決めていたのに…な…。』
ウェイディーは僕の腕を掴んで
『もう一度だけ…信じてみるのもいいかもな……』
ウェイディーは見られないように一筋の涙を流していた…
『ウェイディーはどうしてこんな力が…?人間の亜種なの…?』
『知らない……覚えてないんだ。名前と人でないということとこの力でパンドラを救わなければという事しか記憶にないんだ…』
『記憶喪失…?』
『簡単にいえばそうだな…』
泉から上がり服を着る。
『自分の事が分からないということがこんなにも恐いとは思わなかった…なぜ人じゃないのか俺が聞きたい…』
僕は一つの考えが浮かんだ。
『…行こう…』
『えっ…?』
『君の記憶探しに行こう!!きっとヒントはあるよ!!パンドラを救う訳もそこにあるんじゃないかな。』
ウェイディーは人と関わることになるから嫌だと言い張っていたが説得して二人で旅に出ることにした……
ウェイディーとの約束を胸に歩いていく…
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